
【私のMicocochi】【生理が辛い人必見!】生理のしくみを知って、女性特有の不調を改善しよう
こんにちは、心理学者のママさんライター、内山友里です。
今回もご覧いただき、ありがとうございます。
前回のコラムでは、【生理(以下、月経)】に付随する問題として、生理休暇取得の難しさ(取得率約3%)について、お話しました。
筆者も、公務員から企業へ転職した後は、一度も生理休暇を取得できていません。
そして、こうした社会問題を生み出す原因は、月経に付随する症状(以下、月経随伴症状)が軽視されているからではなく、「そもそも月経のしくみや症状が知られていない」ことにあると指摘しました。
そこで今後は、多くの人に月経随伴症状を知っていただくべく、身体的症状や心の状態についてご紹介していきます。
ただし! 月経随伴症状について言及する前に、まずは月経随伴症状を引き起こす【月経】とは何かについて、お話させてください。
月経のしくみ
月経随伴症状について、おそらく誰もが、「辛い、苦しい」と感じた経験があると思われます。
しかし、こうした気持ちを口にすることは、なかなかできません。
その理由に、「辛いのは自分だけではない、みんな我慢しているに違いない」という思考があげられます。
他者と自分の辛さの比較など、出来ないにも関わらず。
そこで、ここからは数記事にまたいで、月経のしくみについてご紹介します。
月経がどのように生じ、正常の状態がどのようなものかを知ることで、自身の抱えている問題に気づくかもしれません。
月経の定義
月経は、”通常、約1か月の間隔で起こり、限られた日数で自然に止まる子宮内膜からの周期的出血(日本産科婦人科学会用語委員会,1990)” と、定義されています。
詳しい周期や日数については、今後のコラム内でご紹介します。
月経の正体
女性の身体は約1か月に1回、受精のために【排卵】を行います。
排卵とは、卵巣から卵子(※1)を排出する作業のことです。
受精が成功した場合、卵子は受精卵となり、子宮へと向かいます。
そのため子宮は、受精卵の受け入れに備え、予め子宮内膜を厚くしてふかふかのベッドを作らなければなりません。
しかし、受精が成り立たなければ、用意されたベッドは要らなくなるため、体外に排出されます。
これが月経です。
つまり、月経による出血の正体は、準備していたものの不要になってしまった子宮内膜というわけです。
※1 今後、卵胞や卵子というワードが頻出します。
「卵胞≒卵の殻」「卵子≒卵の殻の中身」と認識して読むと分かりやすいですよ。
月経の流れ
上述により、排卵によって月経が生じることが分かりました。
次に、月経が生じるにあたって、女性の身体の中で何が起こっているか、その流れを確認しましょう。
からだの中起こっていること
女性のからだでは、月経が始まってから次の月経まで、以下に示す4段階を辿ります。
- 月経中の【月経期】
- 月経終了から排卵までの【卵胞期】
- 排卵中の【排卵期】
- 排卵後から月経までの【黄体期】
以上の段階は、【卵胞ホルモン(エストロゲン)】と、【黄体ホルモン(プロゲステロン)】という、女性ホルモンの増減に伴って進んでいきます。
それでは、詳しく見ていきましょう。
月経期
月経中の時期。
二つの女性ホルモンの分泌量がもっとも低下している時期でもあります。
卵胞期(増殖期)
卵巣の中で、卵子のもとである原子卵胞が成熟し、成熟卵胞が完成する時期。
成熟卵胞からはエストロゲンが大量に放出されます。
このエストロゲン増加が合図となり、子宮内膜が厚くなっていきます。
排卵期
成熟卵胞から卵子が排出される時期。
エストロゲン優位であった二つの女性ホルモンのバランスに、変化が生じはじめます。
黄体期(分泌期)
排卵後の卵胞が黄体に変化する時期。
黄体からはプロゲステロンが多く分泌され、子宮内膜はさらに厚く、やわらかくなります。
受精が起こらなかった場合は、黄体がプロゲステロンを放出をやめ、白体へと変化していきます。
まとめ
本記事では、月経がどのように生じているかを示すことで、月経の全体像を把握してきました。
ただし、今回ご紹介したことは、あくまでも大まかな流れにすぎず、その詳細についてはまだ触れていません。
そこで次回は、少し焦点を絞り、本記事でご紹介した二つの女性ホルモンの具体的な働きや、それらがどのように管理されているかご紹介します。
このことを理解することは、後に月経問題を引き起こす原因の特定に繋がり得るでしょう。