
【私のMicocochi】【ピルをもっと身近に】4種類のピルとその効果とは?
いつもご愛読ありがとうございます。
前回のコラムでは、フェムケアの一端として【ピル(経口避妊薬)】の成分や、その働きについてご紹介しました。
<前回分かったこと>
- ピルには月経をコントロールする二つの女性ホルモンが含まれている。
- ピルを服用すると体内のホルモン量が大きく増減しなくなり、その結果排卵が起こらない。
- 排卵が起こらないため、精子が受精できない(=高い避妊効果を期待できる)。
- 排卵が起こららないため、不要な卵子を体外に排出する月経が起こらない。
- ただし、子宮内膜は少しだけ厚みを増すため、少量の消退出血が生じる。
ピルによる効果は、薬物的な成分ではなく、私たちの身体で分泌されている女性ホルモンから得られることが分かりました。
これにより、少しピルに対する抵抗感が減退したのではないでしょうか?
つづく今回は、ピルの持つ避妊以外の効果についてもご紹介したいと思います。
【4種のピル】種類別 ~ピルの効果~
前回お話しした通り、ピルには次の4種類が存在します。
- アフターピル
- 中用量ピル
- 低用量ピル
- 超低用量ピル
今回は、これらのピルがもつそれぞれの効果を示していきます。
ぜひ、自身の悩みを解消し得る効果を持つピルがないか、確認してみてください。
それでは一つずつ見ていきましょう!
低用量ピル
前回もご紹介したように、ピルの中で最も一般的とされている種類が、経口避妊薬として知られている低用量ピルです。
避妊効果はもちろん、月経痛などの月経随伴症状を抑制する効果もあります。
排卵が抑制され、剥がれ落ちる子宮内膜が少量であるため、それに伴う不快感や痛みが通常より少なくなるのです。
さらに、ピルに含まれている二つの女性ホルモンの効果により、ホルモンバランスも崩れ難くなるため、ストレスといった精神的負担を軽減させる効果もあるようです。
実際のところ、「生理が軽くなる!」という期待から、月経に対してあまり身構えなくなるため、気持ちに余裕が生まれることも関与しているとも言われ合ています。
しかし、心理学者である筆者としては「生理に対する不安の軽減も含めて、ピルの効果である」と考えています。
超低用量ピル
ピルに含まれる二つの女性ホルモンのうち、プロゲステロン量を0.03mg/錠以下に抑えたものが、超低用量ピルです。
超低用量ピルは、【PMS(月経前症候群)】や月経痛・月経不順などの症状に作用します。
用量は違うものの成分は低用量ピルとほぼ同様で、子宮内膜の厚みや排卵を抑える効果を持つことから、理論上、避妊効果も期待できる(※1)と言われています。
それゆえ、服用目的が避妊効果であっても、低用量ピルの服用で副作用が生じた人に対して処方されることもあるようです。
実は、筆者も超低用量ピルを服用することで、副作用なく月経困難症(腹痛・腰痛・眠気・・ダルさ・出血過多・生理不順など)が改善され、避妊効果も得ているので、とてもオススメです♪
※1 超低用量ピルはあくまでも月経困難症の治療・改善に用いられることが目的とされているため、避妊効果について臨床実験はされていません。切り替える場合も、月経困難症の改善目的の場合も、医師に相談することをオススメします。
中用量ピル
低用量ピルが流通する前は、中用量ピルが主流な時代もありました。
低用量ピルに比べてエストロゲンが多く含まれる中用量ピルの作用は強く、低用量ピル同様の効果に加え、次の効果も確認されています。
- 避妊に失敗した際、事後的に避妊する効果。
- 短期間の服用で生理日を移動する効果。
2の効果が注目を浴びたことから、中用量ピルは別名【月経移動ピル】とも呼ばれています。
ただし、効果に伴う副作用も強いとされるため、処方を希望する際は、必ず病院で医師の診察や検査を受けることがオススメです。
現在、オンラインでの受診や購入も可能となってはいますが、ホルモン配合量が高いだけでなく、個人輸入の偽物(=他の薬物混入)も出回っているため、危険性が高いでしょう。
たとえ安くとも、病院や薬局以外での購入は控えることが賢明です。
アフターピル
【緊急避妊薬】として知られているアフターピルは、避妊に失敗した際に服用するピルです。
エストロゲンが多量に含まれており、服用によって排卵を顕著に抑制できます。
そのため、ほかのピルが様々な効果を期待できることに対し、アフターピルは避妊効果のみしか持ちません。
商品によって異なるものの、その効果も性交から時間が経過するほど低下します。
具体的には、12時間以内の服用で99%以上の効果を得られるものの、72時間で80%台まで低下し、その後急降下するため、一般的にタイムリミットは72時間とされています。
海外では薬局などで販売されていることもありますが、日本では必ず受診が必要なため、避妊失敗に気づいたらすぐに病院を受診しましょう。
また、保険対象外であり10000円以上の費用がかかることが多いので、その点にも注意が必要です。
まとめ
本記事では4種類のピルとその効果について記載しましたが、気になったものや、自分の悩みを改善し得るものは見つかったでしょうか?
筆者も、知識がついてきた今でこそ普通に服用しているものの、最も月経について悩んだ学生時代の自分を思うと……
「なんで誰も教えてあげなかったんだろう。」
「そんなに悩まなくていいんだよ。」
「すぐに楽になる方法があるんだよ。」
と、少し悲しく、助けてあげたい気持ちになります。
つづく次回は、生理困難症の改善効果を持つ低用量(超低用量)ピルの服用方法や、具体的な価格についてもご紹介します。
ぜひ引き続きご覧いただければ幸いです。