
【私のMicocochi】月経に関する【女性ホルモン】分泌量は誰が決める?
こんにちは、内山友里です。
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
突然ですが、内山の執筆するコラムは、最近少し小難しい内容がつづいています。
まずはみなさんに月経について知ってもらうため、かなりの知識を詰め込んでいるためです。
とりわけここ2記事は、焦点をギュッと絞り、月経に関与する女性ホルモンの一つ一つについてご紹介してきました。
全体像だけでは細かな疑問が残り、焦点を絞れば全体像が見え難くなるため、少し頭の疲れてきたタイミングと思われます。
そこで、本記事では前回までにご紹介した月経に関する知識についてまとめた上で、本題である女性ホルモンの分泌量を決めている器官のお話に入ることにしましょう。
前回までのふりかえり
それでは、まずは前回までのまとめをご覧ください。
月経の流れ
〇 月経を引き起こす二つの女性ホルモンには、「女性らしさをつくる卵胞ホルモン(以下、エストロゲン)」と、「妊娠をたすける黄体ホルモン(以下、プロゲステロン)」がある。
〇 エストロゲンの分泌量が増加し、子宮が着床の準備をはじめると、排卵が生じる。
〇 排卵後妊娠に至らなければ、プロゲステロンの分泌量が減少し、月経が生じる。
女性ホルモンの分泌量による影響
〇 これら二つの女性ホルモンは、卵巣から分泌されている。
〇 ただし、卵巣は分泌量を決定しておらず、ほかに司令塔が存在する。
〇 この司令塔は、誤った命令を下すことがある。
〇 司令塔の誤った命令により分泌量が乱れれば、身体面及び心理面で様々な悪影響を受ける。
女性ホルモンの分泌量を決める「司令塔」とは?
以上から、月経に直接的に関与している二つの女性ホルモン分泌量を決定する「司令塔」が存在すること、卵巣はあくまでも司令塔から命令されたホルモン量を分泌していることが分かりました。
ホルモンの分泌量が乱れれば身体的・心理的な影響を受けるわけですから、月経による体調・精神不調の原因は、ホルモン量を決定する器官にあると言えるでしょう。
では、司令塔とは一体どの器官なのでしょうか?
司令塔はズバリ脳! 女性ホルモン分泌量が決まるまで
脳は、卵巣からのホルモン分泌量を常にチェックしています。
つまり、脳はホルモン分泌量の決定に際して、「分泌量が正常よりも減れば増やし、増えれば減らす」と命令できるよう、フィードバック機能を用いているわけです。
それでは、具体的な流れを見てみましょう。
女性ホルモン分泌量の伝達
脳の中でも大元となる部位は、【間脳視床下部】です。
間脳視床下部から分泌された【性腺刺激ホルモン放出ホルモン】は、【脳下垂体】を刺激します。
すると、脳下垂体は、【性腺刺激ホルモン】という、卵巣を刺激する役割を持つホルモンを分泌します。
ここで分泌される性腺刺激ホルモンは、【卵胞刺激ホルモン】と【黄体化ホルモン】の2種類です。
次いで、卵胞刺激ホルモンと黄体化ホルモンが卵巣を刺激することで、卵巣からエストロゲンとプロゲステロンが分泌されるというわけです。
つまり、月経を引き起こすホルモンを分泌している器官は卵巣であり、卵巣への命令は脳下垂体が、脳下垂体への命令は間脳視床下部が管理していることになります。
まとめ
本記事では、月経についての流れや、その中で何が起こっているかを具体的に確認した上で、月経を引き起こす司令塔についてご紹介しました。
ここで、一つ注意して欲しいことがあります。
確かに、脳はストレス等による影響を受けやすい器官であることに違いありません。
ただし、もし脳がホルモンの分泌量を正しく伝え、増減が正常の範囲であろうと、身体的にも精神的にも、女性ホルモンの増減による影響は受けることになります。
にもかかわらず、命令するホルモンの分泌量が誤っていれば、より顕著な症状が生じることは自明でしょう。
では、ホルモン分泌量の増減による悪影響がもたらす症状とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。
これについては、今後【月経随伴症状】として、その緩和方法なども織り交ぜながら、ご紹介していく予定です。