
【私のMicocochi】月経に関わる女性ホルモン①【エストロゲン(卵胞ホルモン)】の効果
こんにちは、心理学者のママさんライターこと、内山友里です。
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
前回のコラムでは、月経のしくみやメカニズムについて知ることで、その全体像を把握してきました。
そして、月経には【卵胞ホルモン(以下、エストロゲン)】と、【黄体ホルモン(以下、プロゲステロン)】という二つの女性ホルモンの働きが肝要であることが分かりました。
次は少し焦点を絞り、月経にかかわる二つの女性ホルモンの具体的な働きについて、2回にわたってご紹介します。
これにより、二つの女性ホルモンが、月経ないし女性の身体にどれだけ大きな影響を及ぼしているか、クリアに見えてくると思われます。
女性らしい美しさをつくるホルモン【エストロゲン】
本記事では、月経にかかわる二つの女性ホルモンのうち、「女性らしさをつくるホルモン」として知られている、エストロゲンについてご紹介します。
それでは早速、具体的な働きについて見ていきましょう。
エストロゲンの働きと、生涯における分泌量の変化
女性の妊娠・出産に向けて、女性らしい身体をつくり上げてくれるホルモン、それがエストロゲンです。
具体的には、次のような働きがあると言われています。
- 乳房の発達に作用し、女性らしい丸みをおびた体をつくる。
- 受精しやすいように、頸管粘液の分泌を促す。
- 受精後、受精卵の着床を助けるために、子宮内膜を厚くする。
- 皮膚の水分量を保ち、うるおいのある艶やかな肌容体を維持する。
- コラーゲンの生成を促し、艶やかな髪にみちびく。
- コレステロール値を抑え、血流も促進する。
このように、エストロゲンは女性らしさをつくるほか、妊娠・出産の手助けや、さらにはその驚異に立ち向かう女性の身体を守る役割があります。
このことを証明するように、エストロゲンは成長とともに分泌量が増加し、20代でピークを迎えます。
その後、分泌量は少しずつ低下し、更年期になると急激に減少するとされています。
妊娠・出産という生物学上の女性としての役目を終えたことで、エストロゲンによって守られていたものが、突如むき出しになるのです。
エストロゲンの急激な減少については、後々更年期についてお話しをする機会に詳しく触れていきましょう。
生理周期におけるエストロゲン分泌量の変化
前回ご紹介したとおり、月経の一連の流れにおいて、エストロゲン分泌量は卵胞期から徐々に増え、排卵直前にピークを迎えます。
このエストロゲン増加に伴い、子宮内膜は着床にそなえて厚くなります。
つまり、エストロゲン増加は、排卵後に卵子が受精卵となって戻るであろうタイミングにふかふかのベッドが用意できているよう「さぁ、ベッドを作りましょう 」という、合図となるわけです。
なんて計画的でしょうか!
このエストロゲンの分泌量は脳からの命令で決まりますが、それについては少しあとでご紹介します。
さて、排卵が終わると、ベッドの用意を合図するという重大な役目を終えたエストロゲンの分泌量は、一度ガクンと減少します。
このあと少し上昇するものの、黄体期に入るとまた少しずつ減少し、月経後に徐々増えていくというサイクルを繰り返します。
まとめ:エストロゲンの影響
本記事では、「女性らしさをつくるエストロゲン」という女性ホルモンについてご紹介しましたが、みなさん、何か気づいたことはありませんか?
たとえば、お化粧をする際「今日は化粧のりが良いな♪ 」と感じる日。
ダイエット中に停滞していた体重がするすると落ちる日。
ドライヤー後の髪が、いつもよりサラサラしていると感じる日。
女性なら誰しも経験してはいないでしょうか?
これらの体調変化には、排卵期前のエストロゲン増加が関与している可能性があります。
一方、「化粧ノリが悪い」「髪がパサパサする」「むくみが酷い」と感じた時、もしそれが黄体期であれば、エストロゲン低下の影響かもしれません。
このように、定期的に生じる女性の身体の変化も、実は月経に伴うホルモン分泌量の変化がもたらす月経随伴症状であると考えられます。
今回ご紹介した症状は、あくまで月経にかかわる女性ホルモンの一つの、さらにその片鱗にすぎません。
それだけでも、これほど多くの症状があらわれるわけですから、さらに何か別の要因が加われば、心理的影響まで受けることも自明と言えるでしょう。
冒頭でお話したように、次回はもう一つの女性ホルモンである、プロゲステロンについてご紹介します。
その後、これらの女性ホルモンの分泌量を調整している司令塔をご紹介しましょう。
そこではじめて、月経に伴う心理的な症状が、姿を現すことになります。
ぜひ、自身の症状と比較しながら読み進めてみてください。